埋葬先を探し出す

探偵の執念が実を結ぶ-01

調査業に長年携わっていると、時として神懸かりに思え、背筋が寒々しく思える事がある。
今から記す内容は、まさにそのことを裏付ける出来事であり、まるで死者の魂が調査員の身体を借りて、依頼者の目的に向かわせたとでも思える案件であった。

それは、日射しが身にしみる真夏の暑い日のことである。
50歳代初老の婦人が当社を突然訪れ、「墓を探して欲しい。」と言う。都内在住で、物腰が柔らかく、高価そうな服を身に付けた生活にもゆとりを感じさせる婦人である。依頼内容に対し即座には理解できぬまま辛抱強く耳を傾けていると次のような内容であった。

この婦人の話を要約すると”ある日突然実母が亡くなったという知らせを聞いた。それ迄、姉妹間の問題で母親と別居していたが、母親との確執では無く、実姉との意志の疎通が出来ず縁遠くなっていた。結果死亡後、相続問題が起因し、実姉とのいざこざが増大、実母の葬儀日や埋葬場所すら教えて貰えなかった。全て事後判ったことだった。いくら姉との確執があったとしても、実母の墓の場所を知らないのではいたたまれず、これまで何度も弁護士を通じて姉に哀願したきたが、全く聞き入れてもらえなかった”と云うことである。
そこで、この婦人は、身内の恥を晒すことも覚悟の上で、当社のドアを叩いたという経緯であった。

人を捜す事に掛けては手慣れていても、事「墓」の場所となると全く経験がなく、どんなものか見当もつかぬまま、とりあえず姉の住居周辺や公簿書類、果てには、姉やその関係者に根気強く聴取を続けて行った。、姉側のガードは思いの外固く、長年を経て生じた姉妹間の確執を改めて思い知らされた。

依頼を受けてから、丸2ヶ月が経過した。

埋葬場所に関しては記録も残っていない・・・調査続行不可能か?! ≫